NHK 福島 NEWS WEB (2019年2月28日)
「震災関連死」2267人
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20190228/6050004568.html

(研究のための保存)
福島県内で震災と原発事故による避難生活などで死亡するいわゆる「震災関連死」と認定された人の数は、およそ8年がたつ今も増え続け2267人にのぼっています。このうちおよそ200人についてNHKが分析した結果、避難に伴う転居などの回数は平均で6.7回にのぼり、死因は心臓や脳血管の疾患が肺炎と並んで最も多かったことがわかりました。
 専門家は「将来が見通せない避難生活が続くことで、大きなストレスを受け続けて多くの人たちが高血圧になったのではないか」と指摘しています。

 福島県によりますと、震災関連死と認定された人は、2267人で、津波などで犠牲となった1605人を大きく上回り、震災と原発事故からおよそ8年がたつ今も、岩手と宮城が1年間で1人しか増えなかったのに対し、福島は45人増えました。
これほど多くの人がどのように命を落としたのか、検証はほとんど行われていません。
 NHKは、原発事故による避難指示が出るなど深刻な被害を受けた双葉郡と南相馬市の9市町村を対象に、直近の震災関連死について死因や避難回数、家族の離散状況のほか、震災前後の健康状態の変化などについてアンケート調査を行い、195人分の回答を得ました。
 結果を分析したところ、避難生活に伴う転居などの回数は1回から2回が6%にあたる10人、3回から4回が22%にあたる37人、5回から9回が58%にあたる99人、10回以上が14%にあたる24人で、平均すると6.7回に上り、最も多い人は31回も家族や親類の家などを転々としていました。
また、福島の現状や被災者の健康状態に詳しい専門家と死因を分析したところ、肺炎が54人で最も多く、次いで心疾患が39人、老衰が19人、脳血管疾患が15人となりました。
 全国の死因のトップはがんですが、震災関連死では高血圧が一因となる心臓や脳血管の疾患の合計が肺炎と並んで最も多く、被災者の健康調査を続ける福島県立医科大学の前田正治主任教授は、「将来が見通せずに各地を転々とする生活で、適応できないほどの大きなストレスを受け続けて多くの人たちが高血圧になったのではないか」と指摘しています。
また、自殺した人は11人とおよそ6%に上っていて、アンケートなどからは「ふるさとに戻りたい」とか「生きていてもしかたない」など将来を悲観する発言が増えていたほか、周囲に知り合いがいないことや眠れないことなどに悩んでいたことがわかります。
 前田主任教授は、「ふるさとに戻れない中で、転居先になじめずに幻滅するということを繰り返すと、精神的に疲弊してきてうつ病のリスクが高まる。さらに福島では、放射線の影響が遺伝するか不安になったり、アルコール依存症になったりして、生きる希望を失う人が多いのも特徴だ」と話していました。
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記事のアドレス http://starsdialog.blog.jp/archives/79173611.html