カラー印刷,B5 判,24p. 2017年7月1日発行

兵庫県篠山市 (ささやま・し) は関西電力高浜原発から南西方向 56 km にあり,独自に原子力災害対策検討委員会を組織している自治体である。
ホームページによると,
篠山市 防災・減災情報 https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/cat3/19.html
 篠山市では、福島第一原発事故の教訓を生かすため、福井県に立地する原子力発電所で事故が起こった際には篠山市内においても放射線の影響が生じる恐れがある事を踏まえ、原子力災害に対する防災対策を検討することとしています。とあり,
平成 29 年 12 月 20 日の議題としては,
安定ヨウ素剤事前配布にかかる検証について 他
と書かれている。

篠山市では平成 28 年 1 月からヨウ素剤の事前配布を開始しており,年に 1 回配布しているそうだ。
おそらく近畿地方にかぎらずここまで正面から取り組んでいる自治体はめずらしいのではないだろうか。はずかしながら筆者の住む大阪府 T 市は福井県の原発群から約 60 km の距離にあり,古くから「非核平和都市宣言」「人権擁護都市宣言」「健康都市宣言」などを決めて記念塔のようなものを立てているが,原子力防災対策が市民に意識されているわけではない。本当ならば,いつ大災害にまきこまれるか,わからないにもかかわらず,そのような訓練の話は聞かないし,ヨウ素剤を配るようなことは話題にさえなっていない。地元市民としてはなんとかしなければ,とあせりの気持ちがあるばかりだ。


表紙をめくると「はじめに」があり,「篠山市の原子力防災の要点は 3 つです。」とある。
① とっとと逃げる
② 心のバリアをとる
③ 被害を少しでも減らす
この 3 つの要点についてこのハンドブックで詳しく学んでいきましょう!と,なっている。
本文は大き目の文字で読みやすく,まんが風のカラーイラスト,写真,グラフなどを,やや多すぎるぐらい配置してあり,だれでも読めるようになっている。

サイズの B5 判は大きすぎず,小さすぎず,携帯にもほどよい大きさかもしれない。
避難者の集会や地元の防災部署や関係者にも見せてみたいとおもっている。


目次
はじめに
大切な命を守るために
――被害をできるだけ減らすようにしよう(減災)
放射線と被ばく
被ばくを避けるために
事故が起きたら篠山は?
原発事故に備えてあなたの心のバリアをとろう!
あなたが避難する時に大事なこと
「第十条通報」が深刻な事故の合図
原発事故が起こった時,私たちはこう逃げよう
いざというときのために ふだんから こんな準備をしておこう
私たちの持っている安定ヨウ素剤はいつ飲めばよいのか
篠山市の取り組み
市長からのメッセージ
(裏表紙)チェック表
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ハンドブックの PDF ファイルは以下からダウンロードできる。
原子力災害対策ハンドブックが完成しました。
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/group/bousai/cat2/post-129.html
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
篠山市の原子力防災については以下の本でも紹介されている。
『原発からの命の守り方』(守田敏也)
http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
記事のアドレス http://starsdialog.blog.jp/archives/74673822.html