http://starsdialog.blog.jp/archives/73253118.html
質疑応答のまとめ:放射能汚染防止法学習会
http://starsdialog.blog.jp/archives/74507643.html
弁護士山本行雄 情報提供 札幌弁護士会所属
http://blog.goo.ne.jp/zzyukio8989/e/afb3dcd0
以下は,2017年11月7日に開催した「放射能汚染防止法」はなぜ必要か? ミニ学習会(高槻)における質疑応答に関連して著者から提供された「よくある質問(全般)」である。
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(内容は「続きを読む」へ)
放射能汚染防止法制定運動
よくある質問(全般) 2018.1 現在
その1 放射能汚染防止法と脱原発、再稼動との関係
その2 運動をどのように進めていくか
各地の、工夫をこらした活動に学ばせていただき作成しました。
今後も、よりよい取組み経験や、意見・質問などお寄せください。
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060-0041 札幌市中央区大通東 2 丁目 15-1 サラサビル 4F
市民ネットワーク北海道内
「放射能汚染防止法」を制定する札幌市民の会
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TEL 011-615-0711 FAX 011-615-0760
yyukio.yamamoto@gmail.com
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その1 放射能汚染防止法と脱原発、再稼動との関係
A B
原発稼働 → <脱原発・再稼動なし> → 原発停止
核廃棄物 核廃棄物
汚染ゴミ 汚染ゴミ
溶融燃料 溶融燃料
廃炉ゴミ 廃炉ゴミ
(汚染取り締まり) (汚染取り締まり)
(被害者救済) (被害者救済)
←― AB を通じて放射能汚染防止法が必要 ―→
Q1 放射能汚染防止法制定運動と脱原発・再稼動阻止との関係がすっきりしない。
A 上のように、とことん簡略化してみました。
放射能汚染防止法の制定運動を一言で言うと「汚染を取り締まり、被害者を救済する法を整備する」運動です。脱原発、再稼動の動向如何に関わらず、放射能汚染防止法が必要です。
上の(A)(B)の全体を通して必要です。
この後の質問もこのように視角化して説明すると分かりやすいと思います。
Q2 放射能汚染防止法制定運動の最終目的は脱原発か。
A 違います。脱原発で目標を達成して終わるような問題ではありません。脱原発が実現しても、膨大な量の核廃棄物、廃炉に伴う汚染ゴミ、福島事故由来廃棄物、溶融燃料など、公害規制によって人と環境を守っていく深刻な課題が続くからです。今後の始末を考えると、50年、100年後の人々の方が重い困難に直面しているのはほぼ確実です。未来の人々は、放射能汚染防止法を改良しながら、守り続けていかなければならないのです。法整備が遅れれば遅れるほど、ずさんな管理が常態化し、汚染が拡大してしまいます。対処が難しくなり、後世の人々の負担が大きくなります。
Q3 放射能汚染防止法の制定は、脱原発に、どんな影響を与えるか。
A 相乗効果をもたらします。脱原発に向けて原発産業に甚大な影響を及ぼすことは確実です。
これまで原発産業は、公害規制という大きな負担を免れて膨張してきたのです。その負担を負うことになるのですから影響を受けるのは当然です。また、汚染や被曝に罰則を伴う公害規制は、無責任な「原子力ムラ」の「文化」を一変させる可能性があります。
産業界も、割に合わない「経済の足を引っ張る産業」として見直しをせざるを得ないでしょう。
追記:放射能汚染防止法制定運動に取り組んでいくと、原発産業によって得た利益に対して、もたらされた負の遺産の大きさが浮き彫りになります。半世紀にも満たない「電力消費」という利益のために、とてつもない負の遺産(事故による汚染、溶融燃料、被曝、高レベル低レベルの核のゴミ、廃炉に伴う汚染物、など)がもたらされたこと。超長期にわたって汚染から人と環境守る対策が必要であること。(低レベルでも何百年、高レベルは10万年など)。現在に生きる我々の電力消費のために、このような負の遺産を増やし続けてよいのか、という課題です。これは当たり前の現実を確認しているに過ぎませんが、これまでの経験から、多くの人と脱原発の必要性を考える上で共通の基礎になるようです。
Q4 放射性物質に対する厳しい公害規制法を整備したら、原発は、割に合わず、動かせなくなるのではないか。結局脱原発と同じなら,放射能汚染防止法などと言わず、端的に「脱原発」を要求すればよいのではないか。
A そのように考えると、原発産業は、公害規制というハードルを免れ、逆に原発推進を容易にしてしまいます。現在がそうなのです。脱原発が実現してもしなくても放射能汚染防止法は必要です。脱原発と放射能汚染防止法は同じではありません。次元の異なるテーマです。脱原発を主張するのと「並行」して放射能汚染防止法の制定にも取り組むことが必要です。脱原発という用語は,簡潔に伝わる便利な表現ですが、「汚染を取り締まれ」とか「被害者を救済せよ」という意味まで伝わるものではありません。必要に応じて「伝わる」適切な表現を工夫しましょう。
Q5 放射能汚染防止法制定は、再稼動を止め、脱原発を実現してからでもよいので はないか。
A 前問と同じです。そのように前後関係で考えると、「原発再稼動中の公害規制はなくてよい=公害工場の操業を止めるまでは公害規制はなくてよい」ということになり、本末転倒です。逆に、再稼動や、原発延命を容易にしてしまいます。現在そうなっていませんか? 公害規制という障害物のないことが再稼動を容易にし、原発を延命させている大きな要因なのです。再稼動を止め、脱原発を早めるためにも、放射能汚染防止法の制定運動は大きな作用を及ぼす関係にあるのです。
Q6 脱原発と放射能汚染防止法制定の関連を聞かれたとき、端的に伝わらず、もどか しい思いをすることがある。工夫はあるか
A 「汚染なき脱原発を目指しています」などの表現で両者の関連が伝わるよう工夫しています。よりよい表現を工夫していただきたいと思います。上の図で説明したり、本書をプリントして渡すとよいでしょう。
Q7 原発容認や「中立」の人にどのように説得したらよいか。
A 原発を容認するなら、なおさら「放射能汚染を規制し、被害者を救済する法整備」
が必要であること、自民党・公明党も含め法整備の必要性を認めて,国会決議がなされていること、などの理由を説得材料にするとよいでしょう。地方議会の意見書採択の説得と同じ構造です。
Q8 世論調査などでは、約60%の人が、再稼動に反対とか、脱原発を求めているのに政治や政策に反映されない。「反原発運動とは距離を置く」という人が多いことを実感する。放射能汚染防止法制定運動はこのギャップを埋めるのに役立つか。
A 役立つと考えます。「汚染を取り締まり、被害者を救済する」のような具体的な課題によって、「反原発運動とは距離を置く」という人々とも課題を共有できるからです。
Q9 放射能汚染防止法の整備問題は、再稼動問題における知事の同意と関係があるか
A 大いに関係があります。
環境基本法13条の放射性物質適用除外規定が削除になったのですから、知事は、同意不同意の前に、国に対して、同法が定める規制基準や環境基準、汚染被害者の救済制度などの法整備が先であることを要求すべきです。これまでの同意不同意の判断は「事故による汚染被害」を除外して行われています。汚染被害を想定し、その検討の上で同意不同意を判断すべきです。避難区域の問題などとは別に以上のような「汚染被害」が判断要素に入ってきます。
その2 運動をどのように進めていくか
Q10 放射能汚染防止法制定運動と脱原発、再稼動反対とは、手段目的の関係ではな く、両者の運動をそれぞれ並行させていくことが分かりやすく、相乗効果をあげていくことになるのではないか。
A 全くその通りです。「その1」を参照してください。
Q11 地方議会の意見書採択に意味はあるのか。
A 意味があります。
①廃炉の時代を迎え、放射性物質による汚染対策が課題として浮上すること。
②自治体も、汚染資材の公共事業利用など、国の政策に対する、態度決定を迫られる状況になってきていること。
③今後、国と自治体の軋轢の中で、法の未整備が課題として浮上するので、自治体の意思表明は大きな意味を持ってくること。
以上のような「リアル」な「不可避」の問題だからです。
Q12 国会議員との関係をどのように構築していくか
A ① 国会決議によって法整備を国民に約束していることを再確認してもらう。
② 超党派議員連盟を結成してもらう。
③ 「汚染から国民を守り、被害者を救済する」という法整備を「有権者に約束」してもらう。議員連盟が結成されれば、そのこと自体、原発産業のあり方の根幹に係わる,不可避の問題として報道機関が継続して取り上げていくことになるのは確実です。有権者、国会、報道が循環することを意識して取り組んでいきましょう。
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