世界核被害者フォーラム World Nuclear Victims Forum
広島宣言(世界核被害者の権利憲章要綱草案)
http://www.fwrs.info/topics/2015/324
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世界核被害者の権利憲章要綱草案

[Ⅰ]核被害者の権利の基礎


1. 自然界はすべての生命の基礎であり、人類を構成し文明を享受するすべて人間は個人として生命、身体、精神および生活に関する生来の平等な権利を有する。

2. 何人も恐怖と欠乏から免れ、平和で健康で安全に生きる環境への権利を有する。

3. 人類の各世代は、あらゆる生物の将来世代の利益を損なわないよう、持続可能な社会を享受する権利がある。

4. 国際連合憲章でうたう本来的な人間の尊厳と人民の自決権,世界人権宣言、国際人権規約その他の国際人権文書及び先住民族の権利の宣言など、これらの国際実定法が定める生命、健康と生存に関する諸権利、並びに生成途上にある人類の法の内容をなすべき慣習国際法の原則が存在する。


[Ⅱ]権利


(1)核時代に生きる何人も、現在と将来の核被害を防ぐために以下のことを求める権利を有する。

1. 自然放射線・医療用放射線以外の放射線被曝を受けないこと。

2. 被曝労働を強制しないこと。被曝労働が回避できない場合には、最小化すること。
3. 医療被曝を必要最小限に留めること。

4. 放射線被曝の危険性について、正確な情報を学校教育、社会教育を通して提供すること。情報には放射線被曝にリスクのないレベルはなく、とくに子どもや女性は被曝に対する感受性が高いことを含む。

(2)核被害者は次のことを求める権利を有する。

5. 人格権、健康権を含むあらゆる人権及び基本的自由に対する核被害者の国内法上の権利を認めること

6. 過去、現在と将来の被ばく(被爆・被曝)による健康影響に対する持続的な健康診断と最善の医療の提供を自己負担なく受けること。これには、被ばく(被爆・被曝)2世、3世および将来世代も含む。

7. 核利用の結果もたらされたすべての生命と健康、経済、精神、文化への被害について、加害者による謝罪と補償を求めること。

8. 放射能で汚染された土地、住居、地域社会の環境の回復および地域(民族)文化の再生を求めること。

9. 被ばく(被爆・被曝)状況について、加害者から独立した信頼できる科学的な調査と完全な情報公開を求め、この調査と個人情報に配慮しつつ情報管理とに被害者自身が参加すること。

10. 放射能汚染地への帰還を強制されないこと。被曝地から避難するか被曝地に留まるかの選択の自由が保障されること、いずれの選択をした場合でも、できる限り被曝を避け、健康を守り、生活を維持、再建できる支援を受けること。

11. 放射能汚染で健康が害される環境での労働を拒否すること、拒否後も不利益取扱を受けないこと。

(以上)